一橋大学教職員組合

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くみあいニュースNO.2 委員長あいさつ「あなたの声を、聞かせてください」

 2019年6月期の執行委員長になりました、社会学研究科教員の石居人也と申します。専門は歴史学で、人びとの生・老・病・死との向きあい方を歴史的にとらえることをとおして、近現代の日本社会のあり方を問いなおす――そんな研究をしています。組合の執行委員(代議員)になるのは、2013年6月期以来2度目、委員長になるのは、はじめてです。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、わたしは2018年12月に、5年ぶりに執行委員となり、長塚真琴前委員長のもとで半年間、副委員長を務めました。そして、この5年のあいだに変わってしまったことや変えられなかったことの多さを、あらためて痛感しました。組合としてとり組まなければならない課題は、山積みです。

 一方、職場の構成員のひとりとして日々感じてきたのは、この大学をとりまく空気のどうしようもない重苦しさです。息苦しさと言いかえた方がよいかもしれません。この感覚をどれほどの方と分かちあえるのか定かではありませんが、少なくとも身近な教職員や大学院生や学部学生と接するなかで、おなじような所感に触れることは間々あるように思います。大学をとりまく仕組みや環境が大きく変わるなかで、この大学もまた、それに応じて変わってゆく、ないし変わらざるをえないというのは、致し方のないことなのかもしれませんし、こうした状況に直面しているのはなにも、この大学だけではありません。

 とはいえ、変わるにしても、変わり方というものがあるだろう、とも思うのです。

 歴史を扱っている身として、この大学の来歴について調べたり、ベテラン教職員の方々からお話を伺ったりする機会があります。ルーツとなる商法講習所時代からカウントすれば150年にもなろうとするこの大学の歩みをふりかえると、今日からでは想像すらできないような過去があるのは、いうまでもありません。しかし、着任して10年にも満たないわたしにとって、わずか15年ほど遡った「法人化前」の様子でさえ、まるで別世界のできごとのように聞こえるときがあります。

 国立大学(法人)にとって、「失われた15年」といってもよいかもしれない事態が進行するなかで、ひとつの大学の、ひとつの組合やひとりひとりの教職員が、それを変えてゆくのは容易なことではありません。しかし、あたりまえですが、何もしなければ、何も変えられません。こう言うと、何やら強い覚悟を求めているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。ひとりひとりが直接声をあげることの難しさは、重々承知しているつもりです。だからこそ、組合員であるか否かにかかわらず、まずはみなさまの職場における思いや悩みに関わる声を、組合に寄せていただきたいと願っています。

 最後に、わたしの近年の研究対象であるハンセン病の問題にひきつけさせていただくと、日本のハンセン病の隔離政策を1996年まで存続させた最大の要因は、人びとの忘却と無作為にあったといわれます。そのことを省みつつ、15年でこれほど変わってしまったのであれば、これからだって変えられることはある――そう信じるところから、まずは思考を、話を、はじめませんか。「失われた15年」を、「終わりのはじまり」にしないために。

 

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